合掌

同級生からの着信
おいおいおい
誰がどうした?

◆平日の着信

 還暦を過ぎると同級生からの平日午前中の着信にはドキッとする。この日の発信者は、野球部キャプテンのキャッチャー。恐る恐る出てみると、ライトのお母さんがお亡くなりになられたとのこと。新聞を取っていない私としては寝耳に水。結局、葬儀にはキャッチャーとセカンド、そしてショート(私)が出ることに。中学時代の野球部の同級生。卒業後も飲み歩き、遊び歩いた仲間。還暦の会でも実現しなかったが、葬儀という悲しい場で久しぶりの4人が再会を果たすことになる。

◆親たちの青春

 当時、我々の親たちは監督を巻き込み、試合に勝てば我が家で祝勝会。負けても残念会。勝っても負けても大盛り上がり、やれ歌えや踊れや。酒に弱い監督を早々につぶし、復活し再参加した監督をまたつぶし。学校祭で監督が野球部中心に「ビルマの竪琴」の演劇を監督した際には、衣装づくり、差し入れ、そして、観劇しては大涙。いい意味でのモンペア。我々以上に親たちが思い切り青春を謳歌していたような気がする。

◆卒業後も

 我々が成人してそれぞれ仕事に着いた頃も、親たちのつながり、監督のつながりは継続。まあ勝手に盛り上がっていてくれと思ってはいたが、ある親たちの会で話し合いがもたれたらしい。キャッチャーから、「お前たちも成人したんだから、そろそろ親や監督を招待して会を催すもんでないか」と言われたとのこと。1回で済まず数回企画し、宴会にも参加させられた。まあ楽しかったし、親たちも喜んでくれたので良かった。

◆我々が還暦

 寄る年波には勝てず、我々が還暦になるまでに親父たちが天国に。母親たちは、私の母親が先に、そして、今回ライトの母親が天国に召された。先に逝った私の親たちは心細かったと思うが、今や天国の方が多くなった。ライトの話によると、母親は、毎日家から刈和野駅まで自転車で行き、大曲までは電車で通い、遅くまで働いてくれていたとのこと。そう涙ながらに語るライトの思いに共感する、ショート、キャッチャー、セカンド。

◆そのうちな

「ありがとうな」と泣きながら見送ってくれたライトに、「落ち着いたら飲もうな」と声をかけ、キャッチャーとセカンドもそれに続く。会場外では、セカンドから、「『そのうち飲もう』と言われてから何カ月経った?」と言われ、「お前も着信履歴があった返信せよな」と返し。キャッチャーからは、「同級会どうする?」と言われ、「そのうちな」と返す。「そのうちな」と言っているうちにどんどん歳を取り、天国の親たちから指さされて笑われそうだなと思い帰路に就く。合掌。

(人生の一滴)

「そのうち」は
だいたい
来ない