酒蔵放浪記~佐渡編①

海を渡った先で
海の香のする酒を飲む
これぞ地産地消

◆角打ち体験

 今回の酒蔵は3月の「にいがた酒の陣」でお世話になった佐渡の尾畑酒造。佐渡に渡る前に新潟駅内の「ぽんしゅ館角打ち」にて新潟の酒をまず2杯(〆張鶴・真野鶴)頂く。「角打ち」には諸説あるが、酒屋で買った酒を酒屋の隅(角)で、常連や新参者が集い会話しながら酒を飲む、しかも立ち飲み方式と解釈し、そのことに憧れがあった。しかし、新潟駅の「角打ち」はお洒落な佇まいでカウンターやテーブル席ありで椅子もある。注文はQRコードからスマホで注文する方式。知らない隣同士が話せるような雰囲気はなし。

◆佐渡初上陸

 ほろ酔いで新潟港からジェットホイルで佐渡初上陸。チェックイン後に近くの漁師が営む居酒屋に潜入捜査。居酒屋一押しの自前船バイ貝煮付けで尾畑酒造の真野鶴一合瓶をちびりちびり。反対側のカウンターには常連っぽい若漁師とその友達。大将を交え3人の会話が弾む。「大将、漁港で俺の取ったクサウオ一箱280円だってよ」「クサウオ売れるんだ」「その後市場でクサウオ一匹280円で売ってんのよ。悔しいから後で自分で買おうかと思った」「鮮魚コーナーに名前的にクサウオはないよな」…のような方言の会話もつまみに。私は女将さんと会話しながら、追加のバイ貝の焼きとお新香を注文。すると若漁師が、「そうだ、この店2番人気のお新香頼んでねえや」と私に続いて注文。カウンターで一席空けてはいるが気持ち的には近づいてきている。よしよし。

◆居酒屋談義

 そこで私から「大将、次の日本酒何がいいですかね」と聞いたら、大将と若漁師、友達でどれにいいかの話し合いが始まる。そして決まったのが3本。「いやいや3本は無理だから一本飲むとしたらどれでしょう」と聞くと、若漁師が、「俺だったら、これだな」と勧めてくれたのが、加藤酒造の「かぜやわらか」。即それに決めて2本目に突入。酒は旨いし2番人気のお新香がこれまた旨い。お新香だけで1本は余裕でいけそう。大将から次の日のブリ祭りの紹介や尾畑酒造までの行き方を聞いたりしながら2本目も飲み干し、おあいそ。

◆居酒屋流儀

 お釣りを待っている間に「ところで2本目のお酒はいくらです?」と大将に聞き、お釣りからその分を大将に渡してその1本を頂く。「美味しい酒をありがとね。今度鮮魚コーナーにクサウオあったら絶対に買いますよ」。そう言ってその1本を若漁師に渡す。そして、びっくりしている若漁師とその友達からの「ありがとうございます」の声を聞きながら手を上げて居酒屋を出る。これが居酒屋潜入捜査の流儀。尾畑酒造訪問までまだまだ遠い。(つづく)

(人生の一滴)

会話は肴より旨い